スコットランドの国花
アザミの花(Wikipedia 英語版から)
日本の国花をご存知ですか。法律で定められたものがないので、やはり日本の花は桜という説と皇室を代表するので菊とする説があるそうです。では、スコットランドの国花はなんでしょう?これはアザミ(英語では thistle )なんです。これは、8世紀から13世紀までヴァイキングの侵入に苦しんだスコットランドで、侵入してきたヴァイキングの兵士が刺のあるアザミを裸足で踏んでしまい、痛みに耐えかねて大きな声を出したことで、スコットランド兵がその侵入に気が付き多くの兵を助けたことに由来するとされています。
実際には、この戦いはノルウェーのハーコン4世に率いられた軍勢が攻めてきて、迎え撃ったスコットランド王アレキサンダー3世との間で戦闘となった、1263年10月2日のLargs(スコットランドのグラスゴー西部にある海辺の地名)の戦いであったとされています。ハーコン4世は、初期のバイキングの攻勢によって支配していたヘブリディーズ諸島の支配権がスコットランドに奪還されていたのを再度自分たちが支配するために軍勢を派遣したのです。実際の戦闘は伝説と異なり戦いそのものはノルウェー軍が勝利するものの、アレクサンダー3世の巧みな交渉でヘブリディーズ諸島はスコットランドに帰属すると正式にまとまり、スコットランドの領土は護られたのです。このため、このような伝説になったのではないかとされています。
そして、実際にアザミをスコットランド国花に制定されたのは、スコットランド王ジェームズ3世(在位:1452年 - 1488年)によって、15世紀になってからです。
また、スコットランド最高の勲章は Order of The Thistle となっています。現在の正式名称は The Most Ancient and Most Noble Order of the Thistle ですが、最初に制定したのは誰か?については、種々議論があってまだ確定していないようです。現代のこの勲章制度を定めたのは、スコットランド王としてはジェームズ7世、イングランド王としてはジェームズ2世の時代で、これははっきりとしています。しかし、もっと古くからこの勲章は存在していて、最初に定めたのはアカイウスで、809年に同盟を記念してフランク王国カール大帝に送ったのが最初という説があり、実際にカール大帝がスコットランド王国の守護者となったため有力な説となっているそうです。さらに、アザミを国花と定めたジェーズム3世がこの勲章も最初に定めたのではないかという説もあるそうです。
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